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写楽考

4/14シアターコクーン にて

東洲斎写楽(伊之) ・・・ 堤真一
十辺舎一九(幾五郎) ・・・ 高橋克己
喜多川歌麿(勇助) ・・・ 長塚圭史
お加代・お春 ・・・ キムラ緑子
お米     ・・・ 七瀬なつみ
萬屋重三郎 ・・・ 西岡徳馬
<演奏>
  横笛 ・・・ 藤合貴夫生・福原百七   和太鼓 ・・・ 日野一輝
☆作 ・ 矢代静一 ☆ 演出 ・ 鈴木勝秀
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たった10ヶ月に127点の作品を描いて消えた
謎の絵師「写楽」

ドイツの美術研究家クルトによって世界三大肖像画家としての地位も得た・・・
謎の絵師「写楽」


浮世絵三部作の矢代静一作品の写楽に今回出会えた。

伊之と勇助が同じ長屋で共同生活をしている絵師志望の貧乏学生。勇助はまじめ一方で勤勉だが現実主義、伊之は放蕩磊落だが絵にたいしての夢を語る・・しかし愛した女は同一で呉服問屋のおかみさん・お加代というのも面白い発想だ。

そのおかみさんが勇助の子を生んで伊之に押し付けるため連れてくる。そこでまた色香に惑わされ関係してる最中にお加代は自害し、死に切れないで苦しんで死なせてと頼まれて、伊之はお加代を殺め逃亡する。

殺されたお加代をみて昇華させて描いた美人画が受けて流行の絵師になった勇助(歌麿)
逃亡を続けながらも理想の絵を追い求め続け、描き続けた伊之。
食べるに困って歌麿の元を尋ねるが剣もほろろの対応だが、歌麿をプロデュースし続け裏切られた版元・萬屋に見出され写楽と名づけられて売り出され流行する。しかし殺人犯として10ヶ月後に処刑されるというストーリーになっている。

十辺舎一九は長屋時代からずっと関わってきた人物として語り部で登場している。
和太鼓や横笛が場面の切り替えに効果的に鳴り響く。

世間では歌麿や北斎が描いたとか、十辺舎一九が描いたとか、複数の絵師たちがアトリエ体制で描いた等々諸説がある。謎だからいっそう時代を超えて人気があるのだろうか?

堤が演じる伊之は、とてもピュアで不器用だが自分に正直なゆえに時代に翻弄された人物を描き出していた。格好よかった!

勇助の長塚圭史は長塚京三の息子さんで劇団「阿佐ヶ谷スパイダース」を率いて劇作家・演出家としても活躍している。
生真面目だが内心に金のためには自分を曲げ友を踏みつけてのし上がる嫌な役の内面を浮き出させて好演していた。

私は女として「お加代の生き様と死に様」に興味を持った。

裕福な呉服問屋のおかみさんでありながら、勇助を愛していたのは理解できるが、なぜ伊之とも関係をもっていたのだろう・・・
旦那にも勇助にも愛されてはいないので、伊之とのその場限りの情愛に溺れる自分に陶酔していたのだろうか?伊之にお金を渡して抱かれることに自虐的な自己愛があったのだろうか?

勇助の子を産み伊之に押し付けに来た時に、本当は勇助が逃げずに自分と子供と暮らしてくれることに賭けていたのだろうか?そして逃げられて絶望して自害を選んだのか?

愛されたいと渇望しつづけてずっと生きてきたのでしょう・・・ただ普通に自害するのはあまりに惨めだから女としての悦びの最中に逝きたかったのかしらん。。。自己愛なのかな?

「失楽園」の二人も愛し合い抱き合いながら心中しますが、ひとりで自害はその心境とは絶対に違う気がします。なんかとっても気になる登場人物でした。
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by jakky123 | 2007-04-30 22:11 | 観劇・鑑賞・観戦