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七月大歌舞伎 夜の部

今月は大好きな玉三郎丈と海老蔵丈の組合せの「泉鏡花作品」が
昼夜ともに入っていました。

昼の「海神別荘」と夜の「天守物語」でどちらも以前に同じ配役で観ていますが、
天守物語の方がもう一度観たい!と思っていました。

昼のもうひとつの出し物は、幸田露伴の「五重塔」
これは観たことがないので惹かれたのですが、、、
何が何でも”海老蔵丈”のjakkyは、「夏祭浪花鑑」も主演の夜の部を予約していました。
七月大歌舞伎 夜の部_c0118352_774997.jpg
夏祭浪花鑑
一昨年金毘羅歌舞伎に行った時に、やはり海老蔵丈主演だった演目で
あの時は舞台に本当に水を張った川の装置で、最前列でしたので、
最後の舅が殺される場面で渡されたビニールシートを構え
水の飛沫を避けたのが懐かしく思い出されます。
(あれは舞台を楽しく盛り上げようという海老蔵丈の発案だったのでは。。。?と心密かに思ってますが、、)

今回は歌舞伎座ですので、舞台装置を利用して奈落へ下がっていきイメージで見せています。
同じ場面ひとつ取っても、演じる役者さんの間ひとつ、振りひとつ、演出ひとつで
違った舞台が出現するのですから、これが醍醐味!

「住吉」
喧嘩で入牢していた髭ぼうぼうの団七(海老蔵)が、女房お梶の主人の尽力で放免され、
お梶と一緒に迎えにきた侠客仲間の釣舟の三婦(猿弥)の世話で、
床屋でスッキリさっぱりしていい男になって出てくるのが見所。 
よっ!!いい男だね!綺麗だね~♪

「三婦内」
夏祭りの日、三婦の女房おつぎ(右之助)が台所で魚をやいているところへ、
お辰(勘太郎)がやってきて、匿っている磯之丞の世話を買ってでるが、
三婦はお辰が美し過ぎるから間違いがあっては、、と難色をしめす。
すると、魚を焼いていた鉄弓を頬に押し当て自らの顔に傷を作り心意気をみせます。
女にしておくには勿体無い!生まれるときに忘れ物をしてきた、、、との台詞が可笑しい。

団七の使いとおつぎを騙して、身代金目当てで琴浦(春猿)を駕篭でつれさっていく
お梶の父であり団七の舅・三河屋義平次(市蔵)。
あとからきて、それを知った団七は追かけていく

「住吉」~「三婦内」までの間にも、浄瑠璃では複線になるいろいろな話が散りばめられているようです。
団七の舅・三河屋義平次のお金にせこい卑しい人物像も。。
歌舞伎では通常とばしてこの場が上演される。

「長町裏」(泥場)
舅・三河屋義平次に追いついた団七は、咄嗟の機転で石を手拭に包んで金に見せかけ
琴浦を載せた駕籠を帰させる。
そこから、祭囃子の中、誤って舅を殺してしまう団七と義平次の見得の連続の見せ場である。

近づく神輿を気にしながら、血糊を井戸の本当の水でぶるぶる震えながら洗い、臨場感を楽しめました。
七月大歌舞伎 夜の部_c0118352_9174983.jpg<天守物語」

白鷺城の天守閣最上階にあるこの世とは別の物の怪の世界。
そこの主・冨姫(玉三郎)
もういるだけで美しい!
立ち振る舞いがこの世のものではなく、すーっと優雅に移動する。
台詞の言い回しが素敵!! 本当に女形の美しさをあますところなく見せてくれます。

妹の亀姫は今回勘太郎ということで、どうでしょう。。と思っていましたが、
可愛いらしい亀姫でした。
「夏祭・・」のお辰役といい、素敵な役者さんで脂がのってますね。
前田愛ちゃんと結婚も決まって、旬!といったところでしょうか(^^)v

その亀姫への土産に冨姫がとってあげた白い鷹がモトで、鷹匠の姫川図書之助(海老蔵)が
天守の最上階に鷹を探しに行けば切腹を解くといわれやってきます。

冨姫はその美しさに一目ぼれし、2度と来ない様に言って立ち去るように告げます。

しかし、3階に下りたところで手燭の灯りを消してしまった図書之助は再び最上階へ火を乞いに。
冨姫は、最上階に来た証に藩主秘蔵の兜を図書之助に与えます。

しかし、コレが仇となって、賊と疑われた図書之助は味方に追われて命カラガラ、3たび最上階へ。
図書之助への思慕が募っていた冨姫は、大喜びで匿いますが、追手に目を傷つけられ
二人とも目が見えなくなります。。

そこに名工が現れ、鑿で獅子の頭に目を入れると、二人とも見えるようになりました。
あまりに美しい舞台の幕引きでうっとり。。

通常、歌舞伎ではやりませんが、現代ものということで幕が再度開き、
3人の舞台挨拶もありました(^^)v
夢見心地で余韻を残して、歌舞伎座を跡にしました。
七月大歌舞伎 夜の部_c0118352_9181849.jpg

by jakky123 | 2009-07-11 23:42 | 歌舞伎